|
評価:
吉俣良
(2008-02-20)
|
紹介しないだけで、はなうは気になったドラマ・アニメ・映画サントラを聴きます。その中でも特に珠玉のクオリティといえるものを今後は紹介したいと思います。
−−−−−−
ということで、今更ながら、篤姫。この主題テーマは
「利家とまつ」と双璧を成す歴代大河ドラマオープニングの最高傑作であると思う。とにかく、凄いテーマ曲だ。
大河のオープニングは2分30秒から3分の間でなければならないのはファンには常識だが、その範囲内で、1月から12月まで続く長い長いストーリーを凝縮しなければならない。これは大変難しい作業である。武田信玄だから戦国武将っぽくとかいう安直な発想で曲をかくと、ドラマを体現しないダメテーマが誕生してしまう。
大河ドラマは、有名な歴史上の人物の
生涯を描くドラマである。であるからして、そのテーマはその人物の最も有名な部分だけをうつしてはいけない。幼少期のエピソードや、晩年の過ごし方まで含め描かなくてはならないのだ。そして、その人生を2分45秒に凝縮すると、
人物の思念が曲に乗り移る のであると思う。
大河ドラマのテーマソングの評価方法は簡単で
、12月の最終話の最後のシーンで流れていたときに感動するかどうか という明確な評価基準がある。
1月の段階で理解されなくてもよいのだ。最終話を見たときに、ああ、この人の人生にこのテーマはぴったりだ と思い涙できればそのテーマは最高のテーマとなる。その点で、「利家とまつ」「篤姫」ははなうが見た10本ちょっとの大河の中で最高だと思う。
なぜ最初がドラなのか、その後続く穏やかな音楽と怪しげにざわめく不穏なメロディー、そして一番有名なバイオリンのテーマ。そのそれぞれが、篤姫の思念を現しているのだな、最終話を見て、とても納得した。
はなうは、かねてから日本のドラマや映画は主題歌がだめすぎる(ものが多い)と思っているのだが、日本のすべてのドラマ主題歌作成者に見習ってほしいすばらしいテーマであると思う。最終話に胸を張って流せるテーマを是非作ってもらいたい。
(近年では、ごくせん3rdのAquatimes「虹」はドラマを理解したすばらしい歌だと思う。ちょっと昔なら、低視聴率だったけどブリグリの「There will be love there」とか。)
サントラ全体を聴くのはファンだけでよいと思うけど、ドラマを見た人ならお勧めしたい一枚。いや2枚(2枚あるのです。全体としては2枚目の方がよい曲が多いと思う)。